ありきたりな恋に、幸せを。
一章
1話
「 クーリスマスが今年もやってくるー。 」
友達の香子(カコ)とあの有名なCMソングを歌いながら、並んで自転車をこぐ。
「 つーか、さむっ。 」
マフラーを顔にうずめて、香子はわざとらしくさむがって見せた。
クリスマス。
もう、あれから1年が経つ。
「 …あきちゃんと別れてから1年だー。 」
不意に口にすると、なんとなく寂しくなった。
今頃何してんだろー、と考えると、私も寒くなってきた気がする。
「 1年かぁ、長いね。 」
去年の冬は、何もやる気が起きなくて、こんな歌に涙したりもした。
「 …長いねぇ。 」
「 だいぶ落ち着いたよね、最近になってやっと。 」
「 まだ思い出すと、泣いちゃったりするけどね。 」
未練がないと言えば、嘘になる。
未だに、戻れるなら戻りたいと思ってしまうのだ。
どうせなら、嫌いにさせてほしかった。
綺麗な別れ方なんてしたくなかった。
そんなこと、今更思っても仕方ないんだけどさ。
「 まぁ、美波も新しい恋しなよ、そしたら少しは和らぐんじゃない? 」
うん、と呟いて私は、肌寒くなってマフラーに顔をうずめた。
友達の香子(カコ)とあの有名なCMソングを歌いながら、並んで自転車をこぐ。
「 つーか、さむっ。 」
マフラーを顔にうずめて、香子はわざとらしくさむがって見せた。
クリスマス。
もう、あれから1年が経つ。
「 …あきちゃんと別れてから1年だー。 」
不意に口にすると、なんとなく寂しくなった。
今頃何してんだろー、と考えると、私も寒くなってきた気がする。
「 1年かぁ、長いね。 」
去年の冬は、何もやる気が起きなくて、こんな歌に涙したりもした。
「 …長いねぇ。 」
「 だいぶ落ち着いたよね、最近になってやっと。 」
「 まだ思い出すと、泣いちゃったりするけどね。 」
未練がないと言えば、嘘になる。
未だに、戻れるなら戻りたいと思ってしまうのだ。
どうせなら、嫌いにさせてほしかった。
綺麗な別れ方なんてしたくなかった。
そんなこと、今更思っても仕方ないんだけどさ。
「 まぁ、美波も新しい恋しなよ、そしたら少しは和らぐんじゃない? 」
うん、と呟いて私は、肌寒くなってマフラーに顔をうずめた。