笑いあればすべてよし!


「朱里サーン?天にだーいすきな笑みを見せてもらっていい気持になってるとこ悪いんだけどね、本題入るよ?」


悠がいう。

なんだか子ども扱いされた気分…


「んじゃ、本題に入る。」



そう悠が真剣な顔をして言う。

うちはこの顔の悠を不覚にもかっこいいと思ってしまう。

悠は中性的な顔立ちをしているけど、普段は幼い女みたいな感じ。

でもこの顔は、この顔だけは違う。

凛々しくて、なんていうか…冷静な顔っていうのか…


「…朱里ちゃん?」


華が話しかけてくる。


「悠のほうずっと見て…どーしたの?」

「なんでもないよー」


華はキョトン、とする。

その顔を動物に例えると

小動物としか言えない。

うちよりも背が高いけどそう思えてしまう。

かわいいなぁ


「本題はいつもと同じ」


―あいつらについてだ


そう悠がささやくように言う。

あいつらとは、うちらとよく一緒にいた男子4人組のこと。

うちらがいる町には神隠しというものがあるらしい。

前まではなかったけど、最近行方不明者が増えている。

ここ一週間で10人はいなくなってるんだ…

その中に、その男子たちは含まれてる。

四人は、三日前に、姿を消したんだ…


「……え?」


パッ…


あたりが真っ暗に。

手探りで何かを探す。

手にあたったのは悠の部屋にあった机。

じゃあこれは停電?

でも、やけに暗い…

何も見えない…


「おい、お前ら!!動くな!とりあえず寝とけ!!!ゴフッ!!」

「あれ?誰かさっき私の手あたった?思わず殴っちゃった。」

「こら!!なぐんじゃねぇよ!!」

「ぐぉっ」


真っ暗な中でみんなで殴りあい。

もちろん本気じゃないよ?

あたったら怖いけど…

ひとりでさみしく真っ暗な中でいるよりはまだましかな?

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