好きって言えよ、バカ。




「ちょっと待っ……」



「いいね!」



「受けてたってやるよ」



「はぁっ!?」



みんなして私のことを無視して……!



私が反対する間もなく、3兄弟による射的ゲームが始まってしまった。



順番はシンプルにジャンケンで。



蓮くん、雅さん、葵くんの順になった。



撃つ弾は、1人1弾ずつ。



トップバッターの蓮くんが、お店のおじさんから銃を受け取る。



「蓮兄、お願いだから外して!」



「あんな大きいぬいぐるみ、1発じゃ取れないでしょ」



葵くんは何としても自分が獲ると、敵意剥き出し。



雅さんは難しいだろうとただ様子をうかがっている。



私も雅さんの意見に同感。



ぬいぐるみは大きいから的は狙いやすいけど、軽く倒れやすい小さいものとは違って、倒すのは難しい。



誰もが無理だと思ったその時。



蓮くんはそんな期待を裏切った。



< 114 / 306 >

この作品をシェア

pagetop