好きって言えよ、バカ。
「ちょっと待っ……」
「いいね!」
「受けてたってやるよ」
「はぁっ!?」
みんなして私のことを無視して……!
私が反対する間もなく、3兄弟による射的ゲームが始まってしまった。
順番はシンプルにジャンケンで。
蓮くん、雅さん、葵くんの順になった。
撃つ弾は、1人1弾ずつ。
トップバッターの蓮くんが、お店のおじさんから銃を受け取る。
「蓮兄、お願いだから外して!」
「あんな大きいぬいぐるみ、1発じゃ取れないでしょ」
葵くんは何としても自分が獲ると、敵意剥き出し。
雅さんは難しいだろうとただ様子をうかがっている。
私も雅さんの意見に同感。
ぬいぐるみは大きいから的は狙いやすいけど、軽く倒れやすい小さいものとは違って、倒すのは難しい。
誰もが無理だと思ったその時。
蓮くんはそんな期待を裏切った。