好きって言えよ、バカ。
──パンっ!
乾いた音と共に、ポスンと下にぬいぐるみが落ちる。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
「おー、お兄ちゃん上手いね!はい景品!」
「ありがとうございます。……ほらよ」
「え?あ、ありがと……」
棚に陳列していたクマのぬいぐるみが、今は私の腕の中にある。
そんな簡単になんて、取れるはずないと思ってたのに。
「まじかよ…」
「蓮兄のバカ。僕たちまだやってないんだけど」
予想外だったのは雅さんと葵くんも同じらしい。
だって、勝敗がすぐについてしまったんだから。