好きって言えよ、バカ。




「べ、別にっ」



「言えよ、言わないとお仕置き」



「なっ……」



蓮くんからのお仕置きなんて、嫌な予感がしない。



私が指す危険な匂いっていうのも、まさにこういう事で……



「時間切れ」



「……っ、なぁっ」



こ、こんな公共の場で……!



人混みから離れたとはいえ、ここはお祭り会場。



ちらほら人が歩いている。



見られたら、恥ずかしいじゃん。



早く離れて、と蓮くんの胸をボコボコと叩いて、やっと私は解放される。



「俺のこと、いつになったら好きになってくれるわけ?」



「は、はぁっ!?」



なんて爆弾発言。



屋台から離れているこの場所は明かりもほとんどなくて薄暗い。



だから、きっと……私の真っ赤な顔はバレてない、はず。




< 118 / 306 >

この作品をシェア

pagetop