好きって言えよ、バカ。




「なぁ、答えろよ」



「そんなこと、言われても……」



じっと私の目を見つめてくる、その色っぽい瞳に耐えられなくて、思わず後ずさりしてしまう。



ちょうど私の真後ろは大きな大木があって、その木と蓮くんの間で板挟みになってしまった。



顔の横に手をつかれて、私には逃げ道がない。



「俺さ、結構独占欲強ぇんだよ。……早く俺のモノんなれ」



「……んんっ」



いつも素直じゃないくせにっ……



急にふたりきりになると、恥ずかしくなるような甘いセリフばかり言ってくる。



おかげで私は、ドキドキの嵐で殺されかけている。



キス魔の蓮くんからは、何度も甘いキスが降ってきて……



次に解放された時には、蓮くんに支えてもらわないと立っていられなかった。



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