好きって言えよ、バカ。



「これくらいで腰抜かしてんじゃねーよ」



なっ……



「私は、そんな蓮くんみたいに余裕じゃないのっ!」



キスだって、蓮くんにされたのが初めてで……



毎回のようにドキドキさせられて。



頼んでもいないのに。



「俺だって、余裕なんか微塵もねぇよ」



「……え?」



「んでもねぇ」



夜空に打ち上げられた大きな花火に照らされた蓮くんは、必死に照れ隠ししているように見えた。



薄暗いここからは、綺麗な花火がよく見えて……



しばらく見とれていた。




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