好きって言えよ、バカ。




「絃」



「な、なにっ……」



花火も終盤。フィナーレに差し掛かった頃。



不意に名前を呼ばれて、興奮と感動とは別のドキドキがおさまりかけていたのに、掘り起こされる。




「お前は、絶対俺を好きになる」



やっぱり、この人は自己中だ。



俺様で毒舌で意地悪で……



嫌味しか言ってこない悪魔。



でも、その言葉にまたドキドキしてしまったのは、私だけの秘密。




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