好きって言えよ、バカ。
「あ、そうだっ!絃ちゃん、僕の応援に来てよ!」
「え?」
「そしたら僕、頑張れるからさ!」
いいことを思いついたと、まるで子どものように目をキラキラと輝かせて、私を見る葵くん。
無邪気なその笑顔を向けられて、断れるわけがない。
「うん、いいよ」
特にその日曜日は予定もないし……
家でゴロゴロしてるより、よっぽどいい。
それに、葵くんがサッカーしてるところ、ずっと見てみたいって思っていたし。
「本当!?やったー!ありがとう、絃ちゃん!」
私の返答にとても喜んでいるらしい葵くんは、いつものように私のことを抱きしめてくる。
やっぱり可愛いな、なんて思うけど、体つきはサッカー部で鍛えていることもあって、しっかりしてる。
そんな男の子らしい体にドキドキする。
ドキドキして、今にも心臓が破裂してしまいそうなのに、どこか落ち着く温もりがある。