好きって言えよ、バカ。
「じゃあ、俺も行こうかな」
「雅兄も?」
「あぁ。高校入ってからは初めてのデビュー戦でしょ?」
「そうそう」
サッカー部のことは詳しくはないけれど、部員は多かったはずだから、なかなかすぐには試合には出られないはず。
それで練習試合だったとしても、試合にメンバーとして参加できるんだから、きっとすごいことなはず。
「葵くんのこと、応援するよ!」
それで力になれるのなら、いくらでも!
もし活躍できたら、大事な試合にも出られるようになるかもしれないし。
私がそう言うと、わかりやすくパッと笑顔になる葵くん。
「絃ちゃん、だいすき」
「……っ」
もう"だいすき"が口癖になりつつある葵くん。
何度も言われているけれど、このドキドキに慣れることはなくて、どうしても顔が赤くなってしまう。