好きって言えよ、バカ。
「人いっぱいだねー」
思った以上に既に人がいて、もう少し早く来た方が良かったんじゃないかと後悔する。
「これじゃ見えないかな……」
せっかく応援に来たのに。
「それなら私に任せなさい!」
「え、待って瞳ー!」
瞳に腕を引かれ、雅さんと蓮くんの間を割ってすり抜けたかと思えば、突然ダッシュで走り出す。
そして、人混みの中に入り、無理矢理前へと進んでいく瞳。
「ちょっと瞳、ストップ!……もう無理っ」
「大丈夫、もう一番前だから」
「……へ?」
私は瞳に付いていくことに必死で周りの状況を理解できないでいた。
そう言われて、顔を上げて見ると、目の前は広いサッカーコートが広がっていた。