好きって言えよ、バカ。



「なぁ、離せって言ってんだろ?」



ずっと少し距離をとっていた蓮くんがいきなり近づいてきて、遼くんの胸ぐらを掴んだ。



遼くんに抱きしめられたままの私は、近くでその様子を見て、思わず体が硬直してしまう。



間に押しつぶされてしまわないように、遼くんは少し体から離してくれたけど……



「おぉー怖い怖い。そんなことしてたら女の子に嫌われちゃうよー?あんなに女の子と遊んでた蓮くんはどこに行っちゃったんだろうね?」



"蓮くん"を強調した遼くんに、蓮くんは眉間にシワを寄せる。



これは相当ご立腹な様子。



……あとが怖いよ。



今日1日……いや、数日は機嫌が悪くなってしまいそう。



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