好きって言えよ、バカ。







「ただいまー!」



「お邪魔しまーす」



アルバイトが休みの雅さんが夕飯を作り終えた頃、葵くんが部活から帰ってくる。



でも、玄関から聞こえる声は1人じゃなくて、もう1人。



こんな時間にお客さん?



……って私、ここにいたらまずいんじゃない?



いや、そういえば前に蓮くんが、私が佐伯家に居候させてもらってることみんなにバラしちゃったんだっけ。



確か、夏休みに入る前のことだ。



……だからと言って、ここにいてもいいってことにはならないんじゃない?



同じリビングにいる雅さんと蓮くんは、来ているであろうお客さんに気づいていないのか、平然としている。



焦っているのって私だけ?



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