好きって言えよ、バカ。
「もー、絃ちゃん。それならそうともっと早く教えてよ」
「……!?」
いつの間に隣に来ていたのか、私のことを抱きしめてきた遼くん。
……この人、心臓に悪い。
「あーっ!」
「ちっ」
「……」
そんな様子を見て、大きな声をあげたのは葵くん。
舌打ちをしたのは蓮くん。
奥で呆れているのが雅さん。
「相変わらずチャラいね」
「それひどくない?雅」
いえ、雅さんの言ってることは合ってますよ。
見た目、話し方、行動……もうパーフェクトです。
「だーめ、遼兄だとしても絃ちゃんは渡さないよ」
いつも私から葵くんを引き離すのは雅さんなのに、今日は葵くんが遼くんから私を引きはがす。