好きって言えよ、バカ。



「もー、絃ちゃん。それならそうともっと早く教えてよ」



「……!?」



いつの間に隣に来ていたのか、私のことを抱きしめてきた遼くん。



……この人、心臓に悪い。



「あーっ!」



「ちっ」



「……」



そんな様子を見て、大きな声をあげたのは葵くん。



舌打ちをしたのは蓮くん。



奥で呆れているのが雅さん。



「相変わらずチャラいね」



「それひどくない?雅」



いえ、雅さんの言ってることは合ってますよ。



見た目、話し方、行動……もうパーフェクトです。



「だーめ、遼兄だとしても絃ちゃんは渡さないよ」



いつも私から葵くんを引き離すのは雅さんなのに、今日は葵くんが遼くんから私を引きはがす。


< 199 / 306 >

この作品をシェア

pagetop