好きって言えよ、バカ。






「……はぁ」



朝からなんなのよ、もう。



「絃、お疲れ様」



「ひーとーみぃ」



うぅ、と教室に着くなり瞳に泣きつく私。



本当に疲れた。



「朝から騒がしかったもんね」



外の騒がしい声が、校内にまで聞こえてたんだ。



……恐ろしいっ。



そう思って、体がぶるっと震える。



「あ、遼くん!おはよぉ〜」



それからすぐに廊下が騒がしくなってきて、ついさっきまで校門のところにいた遼くんが教室に向かってきているのがわかる。



「あら、騒ぎを起こしてる張本人の登場ね」



昨日の放課後、昼休みに遼くんに頼まれて校内案内をしていた時の出来事を瞳に話してある。



佐伯家まで来ていたことは、まだ言っていないけど。


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