好きって言えよ、バカ。
"絃ちゃんに惚れちゃったんだよね?"
そう遼くんに言われたこと。
"お前に絃は渡さない"
それに対して、蓮くんが言い放ったこと。
私はそんな2人の会話についていけていなかったんだけど、このことを話した瞳は私を見てニヤニヤしていた。
「新たな恋の予感ねっ」
なんて興奮しながら。
だから、今も私はなるべくなら面倒ごとには巻き込まれたくないし、逃げたいと思っているのに、瞳は楽しそうに笑ってる。
もう、バカ。
「あっ、瞳ちゃんおはよ」
「遼くん、おはよ」
そう、遼くんは私の隣の席。
だから、どうしても離れられないんだ。
私の近くにいる瞳に挨拶をする遼くんは、いつものチャラい笑顔を向けている。