好きって言えよ、バカ。
「……はぁ」
対する瞳も、また違う意味でニコニコしてて私はもうため息しか出ない。
「さっき絃ちゃん、俺から逃げたでしょ?すっごいショックだったんだけどー」
「……知りませんっ」
「もう、絃ちゃんは俺に冷たいなぁ」
だって、苦手なんですもん。
……とは言えず、私は黙り込む。
「……!?」
その瞬間、ゾワっと伝わる殺気。
その気をたどると、その先には蓮くんの姿。
はぁ、相当機嫌が悪い……。
今日も家帰ったら最悪だな。
何故か私に怒ってるんだもん。
そんなこんなしているうちに、ベルが鳴って先生が教室に入ってきた。
今日も1日が始まる。
もちろんそんな今日も、転校してきて2日目で教科書が手元にない遼くんと机をくっつけて授業を受けることになった。