好きって言えよ、バカ。



「えっと……」



「どっかに無くしちゃったんでしょ?これ使いなよ」



「え、遼くんのは……?」



このシャーペンは、いつも遼くんが使っているもの。



私がこれを受け取ってしまったら、遼くんはどうするの?



「大丈夫、もう1本あるから」



そう言って遼くんは、筆箱から他のシャーペンを手に取って私に見せる。



「だから、使って?」



いつもチャラい遼くんが、爽やかに微笑んで、そんな遼くんに私はドキッとする。



そういう時は素直に受け取るんだよ、とまで言われてしまって……



「……ありがとう」



お言葉に甘えて、借りることにした。



< 213 / 306 >

この作品をシェア

pagetop