好きって言えよ、バカ。
「えっと……」
「どっかに無くしちゃったんでしょ?これ使いなよ」
「え、遼くんのは……?」
このシャーペンは、いつも遼くんが使っているもの。
私がこれを受け取ってしまったら、遼くんはどうするの?
「大丈夫、もう1本あるから」
そう言って遼くんは、筆箱から他のシャーペンを手に取って私に見せる。
「だから、使って?」
いつもチャラい遼くんが、爽やかに微笑んで、そんな遼くんに私はドキッとする。
そういう時は素直に受け取るんだよ、とまで言われてしまって……
「……ありがとう」
お言葉に甘えて、借りることにした。