好きって言えよ、バカ。






「よし、絃ちゃん行こー!」



「あ、うん……」



まだ戸惑いつつも、ノリノリな遼くんに手を引かれて学校から連れ出される。



事情を隣で聞いていた瞳は、「楽しんで〜」と手をひらひらさせて私のことを見送ってくれていた。



なにか企んでそうな目と笑顔が少し気になったけど……



「蓮がこころよく俺と絃ちゃんのデートを許すなんて、珍しいね」



「うん、そうだねーって……で、デート!?」



「ふたりきりで遊びに行くなんて、デートの他になって呼ぶの?」



そ、そうかもしれないけど……



放課後デート、制服デート。



デートなんて言われちゃうと、変に意識してしまうから嫌なのに。



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