好きって言えよ、バカ。



「なんで雅と葵と、バカ遼には好きとかいうくせに、俺には何も言わねーの」



「……へ?」



も、もしかしてその事で拗ねてたの?



それって……



「ヤキモチ?」



「なっ、そんなんじゃねーよ。バカ」



こういう時は、さすがの蓮くんも嘘をつくのが下手らしい。



「蓮くんのことは特別だよ?」



本当に、素直じゃないけど……



なんか可愛いとか思っちゃったから、言ってあげるよ。



恥ずかしいから、好きなんて言わないけど。



「蓮って呼べよ」



ただ、蓮くんはそれだけじゃ不満だったらしく……



「俺のこと名前で呼んで、好きって言えよ、バーカ」



最後まで蓮くんは無茶なことばかり言う。



今までずっと蓮くんって呼んできて、いきなり呼び捨てだなんて……


< 303 / 306 >

この作品をシェア

pagetop