好きって言えよ、バカ。



「絃のくせに……」



「私だって、やる時はやる……んっ」



……ば、ばかっ



道のど真ん中で口を塞いできて、そう言ってやりたいのにキスをされている私は声が出ない。



「……っ、はぁっ、な、何考えてんのっ」



あまりにも長いキスなんてしてくるから、苦しくて肩で息をしてしまう。



「もう、蓮のばかっ」



「そんなバカを好きなのは誰だよ」



「なっ……」



それを言われると、何も答えられない。



本当に蓮には、かなわない。



「俺も好きだよ、絃」



「……っ」



不意打ちに弱いのは、私も一緒らしい。










「これから俺のことしか考えられなくなるくらい愛してやるから、覚悟しとけよ?」













Fin.





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