好きって言えよ、バカ。
本気で好きだから。
完全に目をつけられてしまった……
そう思っていたのに、不思議と私の周りは静かだった。
雅さんが突然高校に現れて、変な噂を掻き立てられ、裏でコソコソと話す女の子たちがたくさんいた。
蓮くんが衝撃的発言を受けた今も、それは続いているわけだけど……直接的な何かはない。
良いのか悪いのか……
何もなさすぎて逆に怖かったりする。
体育館裏に呼び出されて……とか、空き教室に閉じ込められて……とかっていうのを想像してビクビクしていたのに。
「今日、テスト帰ってくるねー」
「ひ、瞳……せっかく忘れてたのに、思い起こさせないでよっ」
「今回は絃も雅さんのお陰で頑張れたんでしょ?結果が楽しみじゃない!」
「頑張ったけど……自信はないんだもん」