好きって言えよ、バカ。




「さぁ、今から可愛いペンギンたちの行進が始まります!!」



そんなアナウンスが流れてきたのは、私がベンチに座ってすぐのこと。



場所は、そのベンチからそう離れていないメイン通り。



少しだけなら見に行ってきてもいいかな?



そんな浅はかな考えで、少しだけペンギンの行進を見に行くことにした。



アナウンスを聞いた人たちがメイン通りに集まってくる。



周りはあっという間に人だかりができた。



すると始まりの合図と共に愉快な音楽が流れ始める。



そして奥から出てきたのは、飼育員さんと一緒にちまちまと歩くペンギンたち。



「か、可愛いっ……」



何でしょう、この愛らしい生き物はっ!



空は飛べない羽をパタパタとはためかせながら、小さな足で歩くペンギンは可愛すぎて、発狂してしまいそう。



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