好きって言えよ、バカ。
そんな幸せな時間はすぐに過ぎてしまう。
ペンギンたちが近くを通り過ぎ、集まっていた人たちも少しずつその場を離れていく。
「ねぇ、キミ今暇?」
「……えっ?私?」
突然目の前に現れて私に声をかけてきたのは、髪の毛を明るく染めた男2人組。
「あの、暇ではなくて……人を待ってるんです」
「ふーん、それって彼氏?」
手馴れたように肩に腕を回され、周りからは死角に入る。
そんなチャラ男に待っているのは彼氏かと聞かれたけれど、雅さんは彼氏ではない。
……なんて言ったらいいのかな?
「彼氏ではないですけど……」
「おー、ラッキーっ!じゃあさ、これから俺らと遊ぼうよ」
「あ、いや……そういう訳には」
それに、この人たち危険な匂いしかしないし……
肩に回された腕が気持ち悪い。