好きって言えよ、バカ。
「だから、そういうところが……」
「……なっ!?あ、葵くんっ!?」
「だって、絃ちゃんを誰にも渡したくない」
ぎゅっと抱きしめられて、無邪気な笑顔で言われたら……
心臓がドキドキしすぎて、破裂しそうです。
「それは俺も同じだから」
「へっ?」
「ほら、行くよ。ご飯冷める」
「み、雅さんっ!」
雅さんまで私の部屋に入ってきたかと思えば、葵くんから剥がすようにして私の腕を引いて部屋を出る。
「あ……ごめん」
「ううん、大丈夫です」
雅さんは、過去のトラウマから女嫌いになって、私と会話すらもままならなかったのに……
今では少しなら触れることができるようになってきたらしい。
ただし、私限定で……みたいだけど。