私の心の中にいつも君はいるよ
駅に近づくにつれ、様々な制服の同じ年頃の子を見かけたりスーツを来たサラリーマンを見かけたり朝の景色って感じ。
今日から通う高校は最寄りの電車から3駅の場所。
偏差値70の超ハイレベルの高校。
自分で言うのもアレだけど勉強は得意な方で、だけど受験勉強は猛烈にした。
もう寝る間も惜しんでした。
そこまでしてギリギリの所を選ばなくても私にはいくらでも入れる高校はあると中学の担任には言われたけれど私はどうしてもこの高校に入りたかった。
どうしてかって言うと私立美葉実高等学院には普通学部、福祉学部、看護学部、医学部、特進と5つの学部があるの。
それは地方どこを探してもここだけ。
だから地元だけじゃなく遠方からも受験生はやって来る。
エスカレーターで大学に進めるのも魅力のひとつ。
何より高校から自分の学びたい学部で学べるのはとても嬉しい。
偏差値も学部によって異なる。
特進、医学、看護はそれぞれ70。
福祉は65。
普通学部は60。
私は幼い頃からの夢を追って医学部を受験した。
それは私のお父さんがお医者さんだから。
お父さんはずーーっと勉強して勉強尽くしの人生だけど人を救える仕事に誇りを持っている。
私が中学校に上がるときに地元で小さいけれどクリニックも開院したの。
そして3年の月日が過ぎ地域の人に愛されるクリニックになった。
お母さんはそんなお父さんを支える主婦であり看護師でもある。
私の自慢のお父さんとお母さん。
二人の背中を見てきたからお医者さんがどれだけ大変な仕事なのか、お医者さんをサポートする看護師さんだって大変なことも私は知ってる。
私はこの目でずっと見てきた。
それでも私はなりたいと思った。
だから必死に勉強して念願だった美葉実高校に入学することができた。
次は矢坂村~矢坂村~。
電車のアナウンスが耳に届く、矢坂村が学校の最寄り駅。
プシュッーー、
扉が開くと一目散に降りた。
すると周りは同じ制服の生徒がちらほらいる。
何だかワクワクしてドキドキする。
中学校の友達は誰もここを受験するなんて言っていなかったからゼロから友達作りだけど不安なんてない。
むしろ楽しみだ。
どんなクラスメイトなんだろう。