裏切りげぇむ
歯止めが利かなくなった、佑彩を止めたのは、百合だった。

「…確かにッ!真冬は死んだけど…
でも、仕方のないことだったって分かってるよ!
そもそも、こんなゲームに参加させられたのがダメだったんだもん!
だから、冬華ちゃんのせいじゃないよ!」

「百合ちゃんッ!」

「私は別に冬華ちゃんを責めたりしないから!……ごめんね、佑彩。私は…」

チッ、と舌打ちが聞こえる。

「…ハァ…じゃあ話さなければ良かった。それなら、もう用無しだから。
……そうだ。遺言として、冬華は殺さない。
でも、口止めとしてアンタを殺すからね。
もう、いくら命乞いしたって無駄だから!」

「……うん。分かった。」

否、百合はスゥッと息を吸った。

「このゲームで他のクラスが全滅したら、クラス内で殺し合いがあるんだって!!!」

百合は、叫んだ。

「ちょっ、何言ってるんだよ!」

途端に、佑彩が止めにかかる。

「ん?これが遺言だよ。佑彩からの私が授かった。」

「…お前、最後までッ!」

佑彩は、カチャッ、と。
折りたたみ式ナイフを取り出し、刃を出した。

「……バカだよね、このゲームマスター、ってやつ。
一回帰されたら、なんでも持ってこれるに決まってるのに。
……バラされちゃったけど。
本当に最後にあるから。攻略法もあるらしいけど、アンタたちには教えないから。
せいぜい、死ねよ?」

グサっ!!

「…っ…」

百合は痛みを我慢している。


木の床に、ポタポタッと血が落ちる。


「冬華…、アンタは許さないからね。」

グサっ…


また、同様にしてポタポタッと血が落ちる。

そして、
2人とも、同時に倒れた。

「……これは、私が悪いんだろうな。」
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