裏切りげぇむ
「アンタ、だから何!?冬華がバカで論破できないから代わりにアンタがやるの?
ハッくだらな。ねぇ、放送してるやつ。コイツもムカつくからさ、コイツの性格も奪っちゃっていーよ。」


先ほどからごちゃごちゃ言っているビアンカが、俺の性格までとか言ってきた。
残念だなぁ、俺のこのキャラも作ってるんだよなぁ。
人気者のキャラもそう。
俺の素は、本当に人を殺すのが好きな愉快犯だよ。

残念だったね。この5組で本当の性格として怖いのは、俺。

証拠を一つも残さずに人殺すのってさぁ、すっげぇそそるんだよね。

あー、自分やったなぁ、今回も捕まらなかったなぁ、とか思ってさぁ。

最高だよね。誰にも疑われずに、人を殺していくって。
でも、この世界は違う。
どれだけ証拠が揃っていても、俺は捕まることはない。

もし捕まったら?言えばいいだけの話だ。


デスゲームに参加させられていた、とな。

証拠なら、俺のボイスレコーダーが録音してる。だから、俺は捕まることはないんだよ!!


「んー?なになに?この子の性格もいいって?」


「黙れ。俺はまだ承諾していない。それに、8組の賭ける人数を決めてなかったな。
もちろん全員だけどな。」


「うん、それはいいけど。僕ってさぁ、そんなに性格いらないからさ。
そうだなぁ、君の場合はね…
そのポケットに入ってる、今までのこの放送を録音したボイスレコーダーが欲しいかなぁ!」



…!?

何故バレている!?
あの少ない10分間の中で全て考えたのに!?
そう、バレずに俺は残り捕まらない…、そう予測していたのに!?
何故だ何故だ!?
何が…




…分からない。
何故だよ!?
でもいい。要は勝てばいいんだろ。
勝てば、この証拠が差し出されることもないし。


そうだ、そうだ。

勝てばいいんだ。
よし。勝てば


勝てれば…!!
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