裏切りげぇむ

「じゃあさ…」
「ねぇ。湊くん。何でそんなに冷静にいられるわけ？」

は…？冷静なわけないだろ。
「若菜も、単純すぎ。何で、例え話を間に受けるの？
もしかしたら、湊くんかもしれないよ？裏切り者が。」


邪魔が入った…か。
相変わらずめんどくさい女だな。
相川さくらは。


相川さくらは、何かとめんどくさかった。
親が何かの会長だか知らないが、いくらなんでもいいすぎだろ。
俺のことがバレるじゃないか！


「ごめん…さくら。でも、今はこの例え話を受けるしかないよ…
だって、このまま何も話さなかったら、確実に負けちゃうよ…」
「…私は負けてもいいって思ってる。だって、私たちは命を賭けてないんだよ。
賭けてるのは、冬華さんの性格。後、ボイスレコーダー。
これは負けても私たちには害はないの。」

いくらなんでも、それは言い過ぎではないか？
最初の3組に勝てたのだって、城ノ内がいたからだろ。

「相川。お前、3組を殺した時すごい喜んだだろ。お前一番恨んでたもんな。
殺したのは、冬華だぜ？あの性格じゃなきゃ、確実に俺らは負けてた。
今生きてるのは、あいつのおかげでもあるだろ？」



これは、今俺が思ったことだ。
アイツを守らなければ、俺が窮地に立たされるからな。


「俺は、自分の物が賭けられてるが。メキルマも言ってた通り、あいつの性格は、今この世界では最高と言われるほど、必要な物なんだよ。
この世界で、一番上の価値があるんだ。
それば無くなったら、俺らは確実に死ぬ。だから…」


俺は、拳を握りしめた。

「協力してくれないか？相川。そして、若菜。」


「…たしかに、湊くんが言ってたのも、一理ある…でも、本当にダメになったら覚悟してちょうだいよ？」

「さくら。私は、最後までやるよ。ダメになんてさせない。
湊くん。私が補助していい？こう見えても、言葉で言い返せる自信はあるから！」


若菜は、頼りになってくれそうだ。
いつものような、ふわふわしたキャラではなく、
本気で生きようとしているのが、感じられる。