裏切りげぇむ
突然、鳴りもしないチャイムが鳴った。
しかも、半音上げた状態で。
不快ともとれる音だった。
「ねぇっ!!何!?これ!!」
誰がわかるというのか…。

否、ザザッと放送がかかる。
安堵した。
これは、間違いだ、という訂正だと思った。

そうだ、思えばそうだった。
今、チャイムの調子が悪いのだ。これくらい、あったって仕方ない。
と自分に言い聞かせた。
そうでもしないと、壊れてしまいそうなくらいだった。

私を含め私のクラス…205は、もう崩壊寸前だった。

あんな放送がかかるわけない。
あれは、嘘だ。
あれは、幻聴。
あれは…





あれは…









幻聴でもない。








現実だ。
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