裏切りげぇむ
7時間目「今日はバイバイ」
時刻はもう4時を回っている。
下校時刻だ。
それでもやっぱり恐怖や不安は拭いきれない。
演じている身にもかかわらず、底から沸々と湧き上がってくるそれは、
明日も続けるのか、という恐怖を増幅させるものだった。

「やっほぉー!もう4時を回ったんだよー!
もちろん、帰すよ!
殺人があるとはいえ、所詮みんなは学生!
親御さんが心配するもんねー!?
だから、このげぇむは一時休戦!
お休みってこと!
また、明日もあるからね!」

良かった。帰られる。
私は演じていて張った気がフッと緩んでいくのを感じた。

すると、途端にみんなの前にいることが不安になる。



なんで、こんな私について来てるの…?
おかしいよ、絶対…。



としか、考えられなくなる。
やっぱり、演じきれてないのかな。
途中で過去のことを思い出したり、急に情緒不安定になったり…。

でも、こんなところで素の私に戻っていられない。
戻ったら、このクラスは確実に死ぬ。
私はまだ死にたくない。










でも、もし。死ぬんだとしたら。










正体を…それだけ。






アイツの正体を知れればいい。
自分は、あっていたのか、それだけを。


思えば、私はともかについて、1つ間違った過ちをしていたなぁ。
事件なんて関連なかったし。
まだまだだな。




私は、このゲームの中でだけでも。
誰かに認めてもらおう。
誰かに助けてもらおう。
誰かに笑顔になってもらおう。





裏切り、か。





今のところ、何も裏切りはしていないはず。
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