契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
午後一番の栄養指導の患者さんは、体重100kgの若い男性。

この病院で過去2回栄養指導を受けているようだけど、私はこの人を担当するのが初めてだ。

コードホワイトの時みたいに怖い人だったら…と不安がよぎる。

だけど前回の記録に『お相撲さんのように笑顔がチャーミングで穏やかな人』と書いてあって安心した。

…お相撲さんって。

指導記録にこんなこと書いていいのかな、小沼さん。

ほっこりしながら頬杖をついてカチカチとマウスを鳴らしていたら、椅子ごと移動してきた北川がカルテを覗き込んだ。

「28歳かあ…俺たちとタメだな」

「栄養指導は3回目だけど、BMIの数値は悪くなってるみたい。どう指導していいのか悩むよね…」

北川はパックのジュースをポンと私のデスクに置いた。

「ちょうどいい。これ渡してみたら?さっき業者が持ってきたサンプル。脂肪の吸収を抑えるドリンク」
 
「ありがとう」



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