契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

「相沢さん！」

ドリンクを持って栄養指導室へ向かう途中、女性の声に呼び止められた。

…できれば振り返りたくなかった。

会いたくない人には、こういうときなぜか会ってしまうものだ。

ゆっくり振り返ってぎこちなく笑った。

「お疲れさまです。菊川先生」

菊川先生はなぜか心配そうに眉を寄せている。

「…風間先生と、喧嘩とかしてこじれてる…？」

「え？」

「私の思い違いかもしれないけど、風間先生と飲みに行ったときに、駅のそばで見た女の子が相沢さんだったんじゃないかと思って…
風間先生、あの後ずっと元気なくてぼんやりしてるし、もしかしたら一緒に飲みにいったことを相沢さんに誤解されてるんじゃないかって思ったの」

誤解も何もない。だって今、一緒に飲みに行ったって自白してるじゃない…