契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

言葉が出てこなくて俯いたら、菊川先生はそれを答えだとみなしたようだ。

「…これを言ったら風間先生は怒るでしょうけど、誤解したままよりはいい。
実はね、風間先生にあなたのことを相談されてたのよ」

「…相談…というのは？」

「前に栄養指導で暴れた患者さんがいて、それ以来、眠っている時にあなたが時々うなされて泣くんだって…
凜はきっと自覚がないから、本人に伝えるときっと気にしてしまう。
だけど、こんなことが繰り返し続いたら、いつか壊れてしまうんじゃないかって…
俺にしてやれることはないのかって。
私に相談したのはね、私が心的外傷が専門分野だからよ」

悪い夢を見ていること、悠さんは気づいてたんだ…

「あとね、風間先生とは本当にもう何もないから信じてほしいの。
あの時のことを謝ったら、そのおかげで大事な人を見つけられたからもういいんだって…
ちなみに私の一番大切な人はね、3歳の息子。夫は2番目かな」

菊川先生は少し照れくさそうに笑う。

菊川先生にお子さんが…？全然そんなふうに見えなかった。