契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「目、閉じて」

「え?」

「いいから」

キスされるのかな……?

ドキドキしながら目を閉じ、視界が真っ暗に変わった。

唇に意識が集中してしまったけど、何も触れることはなく、代わりに私の左手が持ち上げられてくすぐったくなった。

「目を開けて」

再び明るくなった視界に、自分の左手が映った。

薬指に、フラワーモチーフのダイヤがあしらわれたプラチナのリングがはめられている。

「サイズはぴったりだな。
職場ではつけないだろうし、ネックレスにしてもいいと思ったんだけど」

……すっかり忘れていた。結婚といえば指輪だ。

天井に向けたらそれはキラキラと眩く光って、夢なんじゃないかと思った。

だけど、顔を下ろせば目の前には満足げな風間先生がいる。

「ありがとうございます」

指に咲いたかわいい花に触れながら、これから始まる先生との新しい生活を想像して胸を躍らせた。

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