ブラックサンタクロース


部屋に戻ると

ジンさんはソファに横になり、うつらうつらとしていた。


Xの出現で仕事が忙しそうだ。

睡眠不足、なんだよね。


そっと毛布をかけようとしたら

「いいよ。俺も、風呂いってくるから」と止められた。


「……あの」

「ん?」

「アマリさんが言ってたのって、なんだったんでしょうか」

「なんの話だ」

「奥手、とかなんとか」


まだチュウしてないとか。

よくわからなかったのですが。


「その話を掘り返すのはやめねぇか?」


顔を手で覆う、ジンさん。


「どうしてです?」


とても気になるのに。


「どうしてもだ」

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