ブラックサンタクロース
「ここは、一緒ですね」
そういって、右手の人差し指でシャツの上からジンさんの胸をなぞる。
「俺にだって心臓はあるからな」
「私のせいでこんなにドキドキしてるんですね?」
「……ああ」
ジンさんの答えが嬉しくてわたしのドキドキも更に加速する。
「わたし達には、共通点がいっぱいありますね。ぬくもりも、鼓動も、おんなじです」
考えてみれば、他にもたくさんある。
「食事はできなくても一緒に歯磨きはできます。お風呂にだって入れます。それから、テレビを眺めながら水を飲むことだってできます」
「風呂は一緒に入る意味がわかんねーけどな」
「背中流します!」
「ふぅん。背中をねぇ」
「嫌ですか?」
「いいや。そう考えると、いくらでもできるんだなと思って」
「そうですよ。楽しいこといっぱいですよ!」
「お前と……」
「……?」