ブラックサンタクロース
「ジンさんは……わたしを抱きしめられなくなったら困ります?」
「ンなこと聞くな」
否定しないってことは、そうなの?
「耳まで……赤いですよ?」
「気のせいだ」
気のせいなんかじゃない。
「ジンさん結構わたしのこと好きですか?」
「まぁ」
「女の子として見れます?」
「…………」
「ちょっとは、見れてますよね?」
「……もう。女としてしか見てないけど」
――え?
「そんなこと……言ったら……わたし、自惚れますよ……?」
すると、ふっと優しい笑顔を見せてくるジンさん。
「いいよ」
「本当に……? え、それじゃ、わたし達って……」
嬉しさと戸惑いが入りまじる。
「相思相――」「莉音」
耳元で優しく囁かれる。
甘く溶けてしまいそうな声。
「っ、はい……」