ブラックサンタクロース


誰よりも先にXを見つけて消してあげる。

この僕が。


そしてキミは、はやいとこ人々から忘れられればいいよ。


「……AMALI。今回ばかりは諦めなさい」

「いやだ」


ここは、ドーム内にある、控室の一室。


「諦めなさい」


さっきからガミガミうるさいのは、うちの社長。


30手前でトップなんてやってる腕のたつ女。

ただし所属タレントの管理は下手くそ。

だって僕をイライラさせる天才だから。


「ねえ。アカサカは?」


なんでもいうことをきくマネージャーがいる。

それがアカサカという男なんだけど、
朝から顔を見ていない。

まさか寝坊したなんて言わないよね。
だとしたら次に会ったときお仕置きが必要――。


「今日は私が君を管理します」

「え?」


意外な展開に、驚いてしまった。


「リョウコが僕の下僕?」

「社長と呼びなさい。それに何度も言ってるけどマネージャーはあなたの家来でもなんでもないのよ」

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