ブラックサンタクロース
「家来じゃん」
荷物持ち、スケジュール管理はもちろん
それ以外にも
『これ。あなたが欲しがってた限定モノのバッグです』
僕の欲しいものを這ってでも手に入れてきてくれるんだから。
アカサカは仕事抜きでも僕に尽くしたいようなやつ。
あれが家来でも下僕でもなければ、なんだっていうの。
「やっぱり君だけでも出演を断るべきだわ」
「何度いわれても僕はステージに立つよ」
この中崎リョウコって女は
僕にこんな服を着せた張本人だ。
「見て、これ。可愛いでしょ。今日の衣装、白と黒が貴重のゴシックドレス」
リョウコと出会ったとき、僕はまだ、こんな女の子みたいな格好はしていなかった。