ブラックサンタクロース


「おねーさん、僕と仲良くなりたいの?」

「そう言ったら。君は仲良くしてくれるのかな」


リョウコは美しく、
それでいて頭のいい女性だと話していて気づいた。


他の女なら、僕に流されるのに。
ペースをあっという間に奪うことができるのに。


リョウコは、そうはならなかった。


だから、決めた。


次のターゲットは、この女にしようって。


「うちで働かない?」


渡された名刺を見て、リョウコが芸能事務所の社長だと知った。


「気が向いたら連絡ちょうだい」


押しが強いようでそうでもなく

隙のないリョウコの油断するところが見たくなった。


いつも通り僕に惚れさせたあと美味しくいただこうと。

そう思った。
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