ブラックサンタクロース
「アマリも。きみも。……消せないよね」
「まだ生まれて間もないんだろう?」
Xは、幼く見えるが
生まれて間もないってほどの赤子ではない。
人間でいうと小学生か
小柄な中学生くらいの容姿だ。
「そうだけど。強いよ。オジサンより」
「寝言は寝て言え」
そうか。
成長が、はやいんだ。
「試してみる?」
「いや。ここで本気出してみろ。このマンションなんて一溜りもない」
「ボクはそれでもかまわないよ」
さっき出会ったときよりも
明らかに対話スキルが上がっている。
「どうせ滅ぼすつもり、だし」
Xの目的は
この世界を壊すこと……?
「ヒトとボクたちの共存なんて。バカげてるでしょ」
ううん、多分ちがう。
「中二病かよ。こじらせやがって」
「いつまで続けるの。オジサンも。アマリも。……他の連中も。おままごと」
「強い者が支配しろとでも?」
「笑っちゃうよ。着せ替え人形みたいなことして。なにが楽しいんだろう」