ブラックサンタクロース
きっとジンさんは否定するけれど
わたしには
アマリさんに人間らしい心があると
そう思えて、ならない。
「僕のとっておいたエサ腐らせておいて。ただで済むとは思ってないよね」
本当にアマリさんは人間のこと
食べ物としか思っていないの?
それとも――……
「リオン」
アマリさんのことを
見えていないかのように、無視すると
「ボクの名前。考えておいてくれる?」
わたしにそう言い残して
Xは、部屋から姿を消してしまった。