ブラックサンタクロース
「ガキがこんな物騒なもん持ち歩くなよ」
ナイフを手に持っているサンタさん。
いつの間に男から奪ったの?
手首、一瞬で、切っちゃうなんて。
どれだけの力があるの……?
「知ってるか。家庭用の包丁でも。肉のメを読めれば、人体切断なんて簡単にできんだ」
「や……やめて、くれ……」
「慣れてりゃ、電ノコやチェーンソーなんて必要ない。ヨユウなんだよ。俺ならこんなナイフ一本で。いいや。ナイフなんてなくてもな」
「たす……け……」
「男が泣くなよ。この程度のことで」
助けを乞う男をニヤリと見下ろすと、サンタさんはこう言った。
「まだまだ序の口だろう。お前ら全員、これからもっと痛い目みて。それから死ぬのに」
「……冗談、だろ?」
「俺はくだらないジョークは嫌いだ」
仲間をひとり残し逃げ出そうとする2人が、
「……なんだよこれ、開かねぇ!!」
「どうなってんだ、おい……」
扉から逃げ出そうとするも、ビクリともしない。