ブラックサンタクロース
「なぁ。お嬢さん」
(……わたし?)
「どうしたい? コイツら」
そのひとたちを? どうするか?
「たっ、助けてくれ……!」
「許してくれ!!」
わたしをすがるような目で見てくる男たち。
さっきまで、わたしのカラダに触れながら、息を荒くしていたのに。
今は、わたしだけが希望みたいな目で見てくる。
「ここにいる3人には前科がある」
「ゼンカ……?」
「ああ。窃盗、婦女暴行でパクられておいて、それでまだ、懲りずにこんなことしてる」
「……お前、どうしてそのこと……!」顔面蒼白な男たちが目を見開いて震えている。
「更生の見込みなんて、ありゃしねえ。元々が腐っているんだからな。こんなクズども。生かしておくって選択肢はナシでお願いしたいものだねえ」
「サンタさんは。その人たち、殺したいの?」
サンタさんはわたしの問いかけに、イエスとも、ノーとも答えない。
少し間を置いてから、こう囁いた。
「お前は。どうしたい?」
ねえ、サンタさん。
わたしの願いは、昔から、ただ一つだよ。
「サンタさん」
「おう」
「わたしは、その人たちに興味ありません」
「あ?」
「わたしのお願い叶えてくれますか?」
「……聞くだけなら聞いてやってもいいが」