ブラックサンタクロース
「ブラックサンタさん」
お前は俺のことなんて忘れて暮らしていただろうか。
「なんだ」
「デートしましょうよ」
「……アホか」
コイツは俺に、こんなに懐いたりはしなかったのだろうか。
「煮るなり焼くなり好きにしてください。わたしのこと」
「喰えと言われると逆に喰う気なくすわ」
「いつか食べたくなるように仕向けます」
「目的を見失うな。お前は俺といたいんだろ?」
なのに喰われてどうすんの。
こいつ……真性のバカなのか?
「はい……!」
まっすぐに俺のこと見上げてきやがる。
「ずっと、そばにいたいです」
クソかわいいじゃねぇかオイ。
……じゃ、なくて。
マジで狂ってやがるな。
ちょっとは怖がれや俺のこと。