ブラックサンタクロース
先生は、首を傾けながら『そういうサンタさんも、いるんだね』って言ってくれたけれど。
きっと、心の中では呆れていた。
「バーカ。サンタは赤だろ」
隣の席の男の子が、わたしの絵をぐちゃぐちゃにした。
(せっかく、描いたのに……)
「莉音ちゃんってちょっと変わってるよね」
「あたし知ってるよ。莉音ちゃんって――」
「ウソー?」
「ほんとだよ。だからね。ママが、仲良くするなって」
“ある理由”から、友達が、できなかった。
いくら隠したくても
誰かが、誰かへと伝えてしまうんだ。