ブラックサンタクロース
莉音の住んでいる施設の近くの木にとまって、窓から見える莉音を観察してきた。
莉音の通っている学校のグラウンドが見えるビルの屋上から、眺めたりもした。(俺の視力はとてもいい)
そんな時間が嫌いじゃなかった。
むしろ、そうしているのが好きだ。
今年はどういうわけか
クリスマスに街に繰り出した、莉音。
……あとをつけることにした。
あまり外出しないアイツが珍しいこともあるなと。
どこになにをしに行くのだろうかと興味がわいた。
そんなとき、
『またストーカーやってんの?』
――――突然、アイツがやってきた。