ブラックサンタクロース
わかってるのか?
そうなったら俺は、お前のことを敵とみなすんだぞ。
「サンタさん」
「ん?」
「今日もカッコイイです」
「へいへい」
莉音は、純粋すぎる。
それでいて、死に、重みを感じていない。
その狂った感覚は、幼少期に受けたショックからだと思われるが……。
「ねえ、サンタさん」
莉音は、随分と明るくなった。
俺の前ではよく笑う。
だけど俺といればいるだけ"普通"から、離れていく。
なぁ。莉音。
お前は俺と再会して良かったのだろうか――
「おかしな話ですよね?」
ネクタイを緩める俺に問いかけてくる。
「なにが」
おかしいのはお前だ。
どうして俺なんかと一緒にいたがんの。
莉音は、俺を見上げニッコリ微笑むとこう言った。
「だって。追われる側の貴方が。普段は刑事さんなんてやってるんですから」