ブラックサンタクロース
「Xはバカなんですかね」
……それには同意する。
だがな、莉音。
「あんまり大きな声でそういうこというなよ」
「?」
いつどこで聞いてるかわかんねーんだ。
X(ヤツ)が。
場所を選ばず。
便利屋を頼らず。
敢えて自分の存在をアピールするかのように殺人を繰り返すX。
とんだイカれたヤローには違いない。
「お行儀悪いですよね」
「俺がとっ捕まえてやるよ」
「あなたは、ヒーローですね」
「あ?」
「だって、悪い人しか食べないし。世の中が少しずつよくなってるでしょ?」